現代の伝承と入堂訓

立身流入堂訓

第18代宗家 半澤成恒の道場立成舎の規約要旨を蹈襲し、昭和62年1月27日に第21代宗家 加藤高が起草。現宗家に引き継がれ、門人に周知徹底されている。

一、 立身流を学ぶ者は、流租神伝以来歴代先師が尊き実地試練の苦業を経て完成されし形その他古来より伝承されし当流の内容に聊かも私見を加へ私意を挟み之を改変すべからず 
一、 常に向上の念を失わず先達者に就いて絶えず個癖の矯正に心がけ正しき立身流の形及び理合並びに慣行知識の修得と伝承に心がけよ 
一、 個癖と個人的特性とを混同する勿れ 
一、 立身流修業中不知不識の間に往々にして或る種の不正過誤に陷ることあり拗れざるうちに宗家の指導を受けよ 
一、 立身流の形を正確に体得したる後更に不断の練磨に努め思念工夫を凝らし、技の冴えと形の品格を高め妙趣を極めよ 
一、 修業の道程は無限なれば心を弛め中断することなく忙時と雖も寸暇を割きて常に稽古を持続せよ 
一、 心目体用一致を自得せよ 
一、 心の感応と働きにつき執心工夫して自探発明し前人未踏の境地に達せんことを心掛けよ 
一、 立身流古文書類の研究解明は必ず実技修得後に於いて実技に照らしてなすこと、実技と理合の対応なき研究解明は判断を誤る場合少なからず注意すべし 
一、 宗家の許可を得ずして立身流傳書を伝授し慢心して妄りに立身流類似の名称を付し分派行動を執ることは許さず 

 以上十訓に則り孜々として勉めて止まざれば何時しか必ず堂に入らん

立身流第22代宗家 加藤 紘