立身流立合目録之巻陰五个口伝より(その1)

立身流第22代宗家 加藤 紘
平成27年11月3日
佐倉市文化祭剣道大会 祝辞
於 佐倉市民体育館
[平成29年2月4日掲載/平成29年4月10日改訂(禁転載)]

大会開催、おめでとうございます。
以前、立身流の「心の術」についてお話したことがあります。試合でどうすれば落着くことができるか、集中できるかの話でした。
その関連の話ですが、立身流に立合目録之巻(たちあいもくろくのまき)という伝書があります。
「立合目録での立合」と言うのは剣術、剣道のことです。
その中に「陰五个口伝(かげごかくでん)」というのがあります。代々口で伝える五つの事柄という意味です。
その一つに「小用(しょうよう)」といわれるものがあります。「小用」とはトイレに行けということです。
古文書に次のような記載があります。

「小用ヲスル事呼吸之為ナリ 戦場平日共(せんじょうへいじつとも)」

小用をするのは呼吸を整えるためである。戦場でも日常でも心得ておきなさい、ということです。
トイレに行って呼吸が整えば気持ちが落ち着きます。
500年以上前から言い伝えられている立身流の教えです。

今日は頑張ってください。


[佐倉市文化祭剣道大会講話録]
平成25年11月3日 立身流門を主とした佐倉藩士と警視庁
平成24年11月3日 立身流に於る「心の術」
平成23年11月3日 立身流に於る、師、弟子、行儀、と、剣道の「一本」

2017年 | カテゴリー : 宗家講話 | 投稿者 : 立身流総本部